わがしブログ

自分の身に起きた事の備忘録です

未払い残業代を会社へ請求した話①

未払い残業代を会社へ請求した話

 

私が戦うと決めた、『未払い残業代請求』の経緯をお伝えする前に、まずは私の労働環境についてお話をさせていただきます。

 

1回の面接を経て正社員として勤めることになったのは、WEBサイト運営会社です。

 

「未経験も丁寧に教えます!」のふれこみと、高待遇、そして何より志望していたWEB業界への転職が叶った事に浮かれて、疑う事を知らない私はまんまと入社を果たしてしまいます。

 

今思えば、ありとあらゆる事が怪しい会社だったのですが、「大手の転職サイトがこんな悪徳会社を取り扱うはずがない」と言う不思議な思い込みもあったんですね。

 

すでに【ごあいさつ(わがしブログ)】に記載したように、この会社は下記のような悪徳さでした。

 

●事業内容が倫理道徳に反している。

 

●求人の内容が全てウソだった。(業務内容、収入、労働条件など)

 

●上の人間が明らかにや○ざ

 

残業代が支払われない

 

上記以外にも労働環境にまともな所が一つもありません。

 

そんな状況下であっても、転職活動を多少行いつつ、生活の為に我慢して働いていましたが、ある時ふと気づきます。

 

これ、明らかに固定残業時間超えているんじゃね?

 

終電近くまで働いて、睡眠時間も十分に取れないまま朝出勤する…。

 

そのような繰り返しの中で感覚がマヒしていましたが、ある日、後輩社員が放った「○○さん、固定残業時間超えてますよね。」の一言でやっと初めて「おやっ?」と思ったのです。

 

素直が取り柄の私は、「残業代ついていないから固定時間は超えていないんだ」と思っている節がありました。

 

お人よしもいいところなんですが、こんなあくどい事業を行っていたとしても会社をまだ疑っていなかったんですね。

 

それによって後々面倒な事にはなるのですが、自分がどれだけ残業をしていたかも把握していませんでしたし、タイムカードの写しなど、残業記録を一切残していなかったのです

 

それでも私は動き出しました。

 

この会社の存在にほとほと腹を立てていたからです。

 

辞めるとしても何か一矢報いてやらなければ気が済みませんし、このまま放置していても被害者が増えていくばかりですからね。

 

思ったらすぐ行動の私は、まずはインターネットでの情報集めを行いました。

 

しかしどのサイトを見ても目に入るのは、未払い残業代を請求する為には証拠』がなければ始まらないと言う記述ばかり…。

 

その『証拠』と成り得るものは、

 

①タイムカードの写し

②業務メールの送信履歴

③タクシー使用履歴や交通機関の利用履歴

④日記

⑤業務指示書

 

 だと言う事ですが、当然私には一生懸命働いている最中は『証拠』を残すなんて考えは毛頭もありませんでしたので…、

 

①→残していない。

②→メールを使用する業務ではなかった。

③→タクシーの領収書は残していないし、使用しているPASMOでは時間の記録が残らない。

④→つけていない。SNSもこの数年は書き込みをしていない。

⑤→そんな丁寧なものを用意してくれるような会社じゃない。

 

と、圧倒的不利で絶望すら感じられる状況…。

 

だからと言って諦めたらそこで試合終了ですから、このまま泣き寝入りする事は私の選択肢にありません。

 

どうすれば『証拠』を集める事が出来るのか考えた末、まずはこの世に物理的に存在している『①タイムカード』から切り込むことを目論見ます。

 

いざ会社と直接交渉へ

 

目論むと言っても大げさな事はしていません。

 

 実際に何をしたかと言うと、会社の総務の方へ何でもない顔をして「これまでのタイムカードが見たいんですけど、コピーをいただけますか?」と依頼したのです。

 

タイムカードはすでに会社が管理しているものであり、正攻法で行くしか道はありませんから、真正面からお願いをしてみました。

 

末端社員では即答が出来ないので「確認します」でその日は終わり、少し日を空けて「タイムカードを見せる事は出来ません」とお返事を頂くことになりました。

 

清々しいほどに、実に悪徳会社のお手本のような回答です。

 

私の要求から残業代を請求されることを感じ取ったのでしょうね。

 

会社の言い分は「会社の規約上、開示は出来ない」とのことでした。

 

これ以上の事は他の上層部に聞いてくれとの事でしたので、私は上層部に話しかける前に、一度、労働基準監督署へ相談の電話をしることにしました。

 

知識不足から言いくるめられることを恐れたからです。

 

労働基準監督署(以下、労基署)へ電話をし、次のように質問をしました。

 

「固定残業時間以上の残業をしているのに、一度も超過分の残業代が支払われていません。

残念なことにタイムカード等の証拠を手元に残していないので、明確な時間や金額は不明なままです。

まずはタイムカードを見せてもらうよう依頼しましたが、それも拒否されています。

それであっても未払い残業代の請求を会社にしたいと思うのですが、この状況で会社側に言いくるめられ無い為にも、正しい知識や切り返し方をご教示いただけませんか?」

 

そう言うと、電話口の労基署の職員さんはこのように会社へ伝えなさいと、アドバイスをくださいました。

 

「毎月固定残業以上の残業をしているが、残業代を支払ってもらっていないようだ。

この残業代が正しいのか、残業時間を照らし合わせたいので、タイムカードを見せてくれないか?

もし足りていると言うならば、その足りていると言う根拠を示してほしい。

これについて○日までに回答をいただけなければ、労基署に相談をさせてもらう。」

 

なるほど!と思える、スマートな回答です。さすがプロの一言に尽きます。

 

この質問の仕方であれば、どのみちタイムカードを開示する他ありませんからね。

 

調べたところ、会社にはタイムカードを開示しないといけない義務はありませんが、使用者の労働時間を適正に管理・把握する義務はあります

 

残業代の支払いが適正かどうか、労働時間の管理と言う観点から開示を求める切り口です。

 

私は感謝の言葉を伝えて、一旦は労基署への相談を終了しました。

 

労基署の職員さんが言うとおり、次に労基署にお世話になるのは、この件について前向きな対応がいただけなかった時です。(結果としてはお世話になるのですが)

 

この言葉を携えて、上層部へ『未払い残業代請求』へ立ち向かっていくことになります。

 

②につづく

 

わがし